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エイムズ  シェリル クラゲの専門家

これまで、刺胞動物、特にマミズクラゲ、十文字クラゲ類、または有毒クラゲの分類、生態系、分子系統学等について研究し、サカサクラゲとその仲間における珍しい生存戦力を発見し(図1)、最新テクノロジーナノポアMinIONテクノロジー(図2)やIlluminaD N Aメタバーコーディング(図3)を用いて環境DNAによるクラゲ多様性を迅速に検出し、野外で生物調査や実験等を行った。

お知らせいたします。8月10日夜7時にフジテレビ番組 « 世界の何だコレミステリー!?»に私は出演します。今回のテーマは « 刺して来る水 »です。そのことにつきまして、2020年に私と共同研究者がその正体を解明しまして、科学雑誌に記事を出版しました。このリンクにて番組の詳細をご確認することができます。よろしくお願いします。

プレスリリース — 研究成果

東北大学が国際卓越研究大学の認定候補に選定されました

この度、東北大学は、国際卓越研究大学の認定候補に選定されました。

「国際卓越研究大学制度」とは、国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律(令和4年法律第51号)により、国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学を国際卓越研究大学として認定し、当該大学が作成する国際卓越研究大学研究等体制強化計画に対して、大学ファンドによる助成を実施するものです。

これにより、国際卓越研究大学における研究環境の充実、優秀な人材の獲得を促し、知的価値創造の好循環を形成することで、我が国の学術研究ネットワークを牽引し、諸外国のトップレベルの研究大学に伍する研究大学の実現を図っていくことが期待されます。

総合知を行動に繋げ持続可能な社会の実現へ 東北大学知識行動オープン・プラットフォーム「SOKAP」が始動! ~Sustainability Open-Knowledge-Action Platform “SOKAP”~

東北大学准教授が率いる国際チームの提案 米国国立科学財団の収束アクセラレータプログラムに採択 シーフードトレーサビリティツールの構築に挑戦

Sustainability octopus 
1: カリフォルニア州ポイントピノス沖の深さ65 メートルで撮影された北太平洋の巨大タコと知られているミズダコ(学名:Enteroctopus dofleini)
図 1: カリフォルニア州ポイントピノス沖の深さ65 メートルで撮影された北太平洋の巨大タコと知られているミズダコ(学名:Enteroctopus dofleini)。 写真の提供:米国海洋大気庁(NOAA/R. N. Lea)

【発表のポイント】

    東北大学大学院農学研究科のエイムズ シェリル准教授が率いる国際チームの提案が、米国国立科学財団(NSF)収束アクセラレータプログラム28 件のうちの1 件に採択されるという栄誉に輝いた。

    1 年750,000 ドルのスタートアップ支援を得て、シーフードトレーサビリティツールの構築を目指す。

    タコの漁獲数管理を改善しタコ漁業の持続可能性を確保する革新的なシーフードトレーサビリティネットワークを作成することにより、タコ漁業へ新たな方向性を与えることが期待される。

【概要】

近年、タコやイカなどの漁獲量は大幅に増加しているが、その漁獲数と場所の報告は不正確で、このようなデータ不足がタコなどの乱獲につながり、タコ漁業の将来を脅かす恐れがあります。

東北大学大学院農学研究科のエイムズ シェリル准教授が率いる研究チームは、トレーサビリティシステムを開発し、環境DNAの手法によって新しいデータを収集し、漁業の対象となっているタコの種類、捕獲地域のAI による識別を可能にするシステムの開発を提案し、米国国立科学財団収束アクセラレータプログラムアワードに輝きました。最終的には、タコのバリューチェーン(=価値連鎖)を取り巻くブルーエコノミー(海洋における環境に配慮した持続可能な経済)の発展支援を目指します。

本学から参加するチームメンバーは、共同主任研究員を務めるエイムズ シェリル准教授(大学院農学研究科)とアリーン デレーニ准教授(東北アジア研究センター)で、他にはロヨラメリーマウント大学(米国)、米国海洋大気庁(米国)、アイセフ LLC(日本)、ローズ大学(南アフリカ)、および米国、メキシコ、英国などの他大学の代表および、いくつかの業界パートナーも含まれます

1:アメリカ、フロリダキーズの浅い海底に棲息しているサカサクラゲの仲間。
©Andre Morandini

【発表のポイント】

あらゆる海洋生物のDNAは、少量の海水サンプルから検出することができる。

本研究チームが開発した携帯式環境DNAシーケンシングキットにより、野外においても、調査地に棲む生物種を同定することが可能になった。

【概要】

あらゆる海洋生物は、自身のDNAを含む痕跡を海水中に残します。そのようなDNAは環境DNAと呼ばれ、少量の海水のサンプルから検出可能です。また、近年の分子シーケンシング(配列決定)技術や携帯型のDNAシーケンサーの進歩により、野外において海水を分析して環境DNAが検出できるようになりました。

今回、東北大学大学院農学研究科のエイムズ准教授が率いるスミソニアン国立自然史博物館、カリフォルニア工科大学、米国海軍研究所、および、アメリカとブラジルの大学の研究者達からなる研究チームは、携帯型シーケンサー、ノートパソコンなどで構成される携帯式環境DNAシーケンシングキットを開発しました。遺伝子配列データベースをノートパソコンに保存することで、インターネットが利用できない野外においても、調査地に棲む生物種を同定することが可能になり、従来の方法では発見できない生物種も検出できることが実証されました。将来、海水浴場での『危険なクラゲ予報』のようなスマートフォンのアプリケーションの実現につながる技術です。

本成果は、Frontiers of Marine Science誌に4月13日に掲載されました。

東北大など、海水域における環境DNAオンサイト分析手法を開発

“刺す水”の正体はクラゲの”粘液爆弾”だった! サカサクラゲの浮遊性の刺構造を発見

【発表のポイント】

熱帯・亜熱帯の浅海でシュノーケリングを楽しむ人たちの間では、肌に原因不明の痛みを感じる”刺す水(stinging water)”という現象が知られていたが、その原因は不明だった。

その原因が、無害と思われていたサカサクラゲが放出する、毒針を含む粘液であることが分かった。

これは、サカサクラゲの摂食戦略と関係していると見られ、これまで知られていなかったまったく新しい生存戦略である。

サカサクラゲが生息する熱帯・亜熱帯の浅い海で泳ぐ人には、肌を露出しないなど、安全な遊泳への注意喚起をする根拠として活用できる発見である。

動画

2020年度東北大学農学部 オープンキャンパスの際、海洋生物科学コースを紹介する動画です。日本人学生向きの7つの分野と留学生向きのAMBコースをそれぞれにおける基本研究や授業などについて説明します。

最近の国際共同研究成果について、今年度出版した論文の概要は以下のとおりである。

結果1

論文1:科学雑誌Nature の「Communications Biologyに共著論文として掲載、筆頭著者(FA)。論文の要旨は、遺伝子やタンパク質などのシーケンス技術を組み合わせて科学の難しい問題を解決する方法についてであり、クラゲが出す有毒の粘液を詳細に調べ(行動、顕微鏡、遺伝子解析にて)、粘液中に微小な刺細胞(毒針を内蔵した細胞)の球を発見し、カシオソームと名付けた。(図1参照)

1。系統樹:根口クラゲとそのカシオゾーム(発見した動く刺胞のかたまり)の発生。(Ames & Klompen et al.2020)

結果2

論文2:科学雑誌「Frontiers in Marine Scienceに共著論文として掲載、筆頭著者(FA)。要旨は、最新の技術オックスフォード・ナノポア(minionテクノロジー)にて現場で行う環境D N Aや遺伝子解析の手法、および、ナノポアシークエンス技術にてクラゲ環境D N Aメタバーコーディングの原理と具体的実験手法とその結果についてである。(図2参照)

図2。ワークフロー:minionテクノロジーを用いた環境DNAメタバーコーディングによるクラゲ多様性の迅速な検出。Ames et al. 2021